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榎並っ子 86号
平成18年6月6日 

おこづかいについて考える

 ある教育雑誌を見ていると、小学4年の子どもをもつ母親から、おこづかいを上手に使えないことについての相談があり、その対応として示唆に富んだ内容の回答が載せられていましたので紹介します。

「〓おこづかい制の意味について考える〓
 親として、おこづかいは自分のためになる使い方をしてほしいというお気持ちは、当然のことと思われます。まずは、おこづかいの意味について一緒に考えてみましょう。幼い頃は、お金の使い方を知らなかったり金銭感覚が乏しかったりするため必要なものは、保護者が判断して買われることが多いのではないでしょうか。それが小学校4年生になって計算もできるようになり、そろそろお金の使い方も覚えられるようになったと、おこづかい制にされたと思います。決まった金額の中で、自分に必要なものをやりくりして使うというのは、金銭感覚を養うという意味でも大切な経験になるでしょう。

 〓妹や友だちとの関係に目を向ける〓
 お菓子やジュ−スは娘さんの好きなものだとしたら、それを買うことは間違いとはいえないし、ごく自然なことと思います。しかし、妹や友だちに気前よくおごるというのは、トラブルにつながりかねませんし、望ましくないでしょう。どうしておごるのか、妹や友だちと娘さんがどのような関係を築いているのか、親として目を向けることも大切だと考えます。

 〓娘さんとおこづかいについて話し合う〓
 では、保護者の考えられるおこづかい制の意味が、娘さんにしっかり伝わって理解されているのでしょうか。自分のための使い方を知らせる方法のひとつとして、例えば何か月かおこづかいを貯めて、本当に自分が欲しいものを買うという経験をすることも大切だと思われます。一方決められた範囲内であれば、お菓子やジュ−スで使い切ってしまうことは必ずしも間違いではないかもしれません。使い切って追加をねだられても我慢させるという経験を重ねることで、計画的におこづかいを使うことの大切さが学べると思います。
 まずは、1か月のおこづかい帳をつけてみるなどして、親子で一緒にお金の使い方について話し合い、娘さんが十分に理解できたと保護者が判断された上で、改めておこづかい制を始めてみてもいいのではないでしょうか。いずれにしても保護者がしっかりとコントロ−ルして見守ることが必要だと思います。」

 ものが豊富になり、金銭感覚が身についていない子どもが少なくありません。お金の使い方について、ぜひ親子で話し合ってみてください。

〔基本的生活習慣〕−社会で必要とされる力−

 ある教育新聞に「社会で必要とされる力『基本的生活習慣』が7割」と題して、子育てについて示唆に富んだ内容の記事が載せられていたので紹介します。

 「これからの社会を生きる子どもたちに求められる力は『基本的生活習慣』。日本PTA全国協議会がこのほど公表した『学校と家庭の教育に対する意識調査』で、7割の保護者がそう考えていることが分かった。高い学習意欲をもつことや基礎的な学力の定着よりも毎日の生活を規則正しく送ることを重視する親の姿が、浮き彫りになった形だ。

 調査は学校教育や現在進行中の教育改革について、保護者の理解や期待することを知るために昨年11〜12月に実施。全国の小・中学生と保護者計7763人から回答を得た。子どもの『生きる力』として大切なことについて、複数回答で聞いた質問では、トップが『基本的生活習慣』で、69.1%。以下『自ら学び・自ら考える力』63.6%。『健康・体力』62.5%。『自分の考えを表現し伝える力』62.3%と続いた。また、『学ぶ意欲や関心』『基本的な読み・書き・算などの力』『知識・技能を総合的に使う力』などは、5割以下に止まった。逆に、道徳心や社会性・公共性、コミュニケ−ション能力などが求められるとしたのは5〜6割前後あり、教科などで得られる力よりも人とかかわっていくための力を育む必要性を保護者は、感じているようだ。」

 どういうことを大切にして子どもたちを育てていくべきか、各ご家庭においても再度考えてみてください。