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榎並っ子 77号
平成18年3月10日

娘の宝物

 ある本を見ていると「娘の宝物」と題して、次のようなことが述べられていました。思いやりの心を育てるにあたり示唆に富んだ話でしたので紹介します。

「6月のある日曜日、わが家におばあさんが訪ねてこられて言った。『お宅に、小学生の娘さんがいますか?』急な夕立のあった日。バスを降り、ぬれながら歩き始めたら、小学生の女の子が『いっしょにどうぞ!』と傘をさしかけてくれたとのこと。

 しかし、子どもの小さい傘なので、これでは2人ともぬれてしまうと思い、『ここで雨宿りするからね。』と別れたのだが、その後15分ほどして、降り止まぬ雨のなかを歩き始めたら、先ほどの小学生が走ってくる。一度家へ帰った小学生が、家の大人の傘を持って、おばあさんに届けにきたのだ。『傘は、もういらないので使ってください。』と言ってもらったが、どうしてもお礼が言いたくて、あちこち捜し回り、やっとわが家を捜しあてたとのお話。

 その雨の日、びしょぬれで学校から帰った娘にこ『お風呂わかしてあるヨ。』と言ったら『お母さんごめん。私、いまお風呂より大切なことがあるの。』と傘を1本にぎりしめ、再び雨のなかへ飛び出していったのです。『おばあさんが、カゼをひいてはいけない。』との思いだったそう。そんな娘の純粋な気持ちに、わざわざ捜しあてて、訪ねてきてくださることで応えてくださったおばあさん。

 親切を実行できる娘もえらいと思いますが、その心を『ありがとう』の言葉で育んでくださったおばあさんの一言が、娘にとって宝物となりました。」


 [地域の方に学ぶ] −学校や地域を愛す子に−

 3月2日と3日の2日間にわたり、3年生と6年生が、総合的な学習の時間に、ゲストティーチャーの方をお招きして、榎並小学校と榎並地域のことにつ
いて、いろいろとお話をしていただきました。それぞれの学年に応じた話に子どもたちは耳を傾け、多くのことを学んでくれたことと思います。

=3年生=

 3月2日に、榎並地域の歴史について話をしていただきました。榎並地域の歴史について、下記のようなクイズを出され子どもたちが興味をもって学習できるよう工夫してくださったので、楽しみながら学ぶことができました。

 3つの選択肢の中から1つ選びます。(一部抜粋)

1.野江に人が住み着くようになったのは、今からおおよそ・・1300年前
2.榎並城が造られたのは・・473年前の1533年
3.野江の村が水害で水につかったことがありますか‥ある
4.榎並小学校校門前の広い道路に京阪電車が通っていたか・・通っていた
5.今の京阪電車が高架になったのは・・75前の1931年
6.榎並小学校ができたのは・・130年前の1876年
7.野江の村に電灯がともったのは・・94年前の1912年
8.野江の村に電話がひかれたのは・・93年前の1913年
9.城東区になったのは‥63年前の1943年

 自分たちの住んでいる地域の歴史を知り愛着を感じてくれたことと思います。

=6年生=

 3月3日に、榎並小学校の歴史について話をしていただきました。榎並小学校は、平成18年5月に学校創立130周年を迎えます。榎並小学校は、明治9年に創設され、その後何回か校名を変更したり、分校(関目、成育、内代)が独立したりしながら現在に至っていること、また、昔の卒業証書や通知票などを提示しながら本校の歴史を振り返ることなど、いろいろなことを教えてくださいました。

 そして、最後に、地域の人々が、130年もの間榎並小学校の子どもたちのために尽力され、歴史をつくりあげてこられたことに深い思いや謝念(感謝の気持ち)をもつことが、伝統を大切にするということですと話をされていました。卒業前の6年生は、真剣な面持ちで聞いていました。